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『毎日新聞』(三重版) 2008年8月29日
ムクゲが花咲かせる
犠牲者の古里しのぶよう 朝鮮人追悼碑近く

(熊野) 熊野市木本町にある朝鮮人追悼碑近くで、ムクゲの花が白い花を咲かせた。高さ2〜3メートルのものが12本あり、9月末まで咲き続ける。
 アオイ科の落葉樹。原産はインドや中国とされ、朝開花し、夕暮れにしぼむ。
 追悼碑は鬼ヶ城歩道トンネル(旧木本隧道(ずいどう))の入り口横にある。1926年、トンネル工事などに来ていた朝鮮人労働者約30人と地元住民が対立する木本事件が起き、2人が殺害された。    韓国や日本の研究者らは94年、霊を弔おうと碑を建立。ムクゲは韓国の国花となるなど、朝鮮半島でも親しまれているため、同時期に植えられた。
 木本事件を研究している同市有馬町の郷土史研究家、桐本正男さん(82)は「ムクゲは2人の古里を思い出させるかのように、今年もきれいな花を咲かせました」と話した。(汐ア信之)
 【写真】ムクゲの花を観賞する桐本さん=熊野市で

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