紀州鉱山の真実を明らかにする会

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『紀南新聞』 2008年3月14日
朝鮮人労働者を追悼
紀州鉱山の選鉱場跡などで

 紀州鉱山の真実を明らかにする会(金静美事務局長)は8、9の両日、紀和町の「紀州鉱山」の現地調査と、紀州鉱山で亡くなった朝鮮人を追悼する初めての集会を開催。会員ら約30人が訪れ、選鉱場跡での追悼集会では花を手向けるなどした。
 同会は、1997年に発足。同会によると1939年から終戦した1945年までの間に、約1千人が強制連行により紀州鉱山で働かされていて、石原産業の「従業物故者忌辰録」や近くのお寺に残る記録などから、少なくとも32人が亡くなっているという。
 現地調査では、共同墓地、宿所跡、遺骨が残っている本龍寺、鉱山資料館、1943年に石原産業が建てた慰霊碑などを訪れ、当時をしのんだり関係者から話を聞くなどした。追悼集会では「朝鮮の故郷から引き離され、紀州鉱山で働かされ、亡くなった人たち。家族とともに紀州鉱山に来て亡くなった幼い子たち。わたしたちは、生きて故郷に変えることができなかったみなさんを思い、なぜ、みなさんがここで命を失わなければならなかったのかを明らかにし、その歴史的責任を追及していきます」と、朝鮮語と日本語で追悼の言葉を述べた。
 会では「歴史的事実が隠されている。熊野市に対し、追悼碑の建立を要請していきたい」と話していた。
【写真】献花をする関係者

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